残夢　―ザンム―　　　作詞/Rupina　　作曲/正田 あきゆき

 

二人はもう　想い出の中でさえ生きてゆけない

何も変わらないこの部屋に

今もあの頃の　風が吹いている

二人はまるで　ひび割れたコーヒーカップ

 

どんなに愛をそそいでも　けして満たされはしない

『こんなに近くに居るのに　遠くに感じるよ…』

憂鬱な夜に　響く君の声が　虚空の中　広がってゆく…

 

どこまでも続くこの道で　たとえそこに答えがなくても

強く信じ続けることができるなら…　あの頃のままで居られたのかな

 

夜明け前のこの部屋　寂しさも悲しさも…

二人の想い出も　忘れたはずなのに　なぜ…　『この胸が傷いよ』

 

　夢から醒めた今でも　その眼差しは永遠(とわ)に

　儚く消えそうな夜に　そっと影を落としてゆく

 

 

どんなに愛し合っても　けして結ばれはしない

『抱きしめたこの温もりも　幻に変わるよ…』

躁鬱な夜に　映る君の姿　虚空の中　消えてゆく…

 

どこまで行けば辿り着くだろう　走り続ける意味があるなら

たとえ僕が僕でなくなっても　君は今でも愛してくれたかな

 

夜明け前のこの部屋　優しさも温もりも…

二人の約束も　交わした言葉だけ　『涙に変わってく』

 

　夢から醒めた今でも　その眼差しは永遠(とわ)に

　儚く消えそうな夜に　そっと影を落としてゆく

　繰り返すこの夜に　君の姿は無いけど

　重ねた記憶は今も　胸の奥へ沈んだまま…

 

―夢の中へ誘(いざな)う　かすかな記憶は

　　出逢った頃の君へと　深く落ちてゆく―